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10. 学力試験を受ける [ニューヨーク州立大学]

大学に入学するには、いくつかの関門がありますが、ニューヨーク州立大学に入学するには以下のようなハードルがありましたた。

<書類での出願@ Tokyo>
大学に、学校案内と出願書 (Application Form) を送ってもらうべく手紙を書き、数週間後に書類を入手します。私は、かなり沢山の大学に依頼しました。とはいっても、適当に送るのではなく、送ってもらった大学の説明書をよく読み、自分の行きたい場所や行きたい学部などある程度絞り込みました。アメリカには認可されている大学だけでも2万校あるといわれています。私は、東海岸(ボストン〜ワシントンDC)のビジネスやエンターテイメント系学部のある4年制大学と2年制大学約20校から書類を送ってもらい、カウンセラーと相談して5校に出願しました。このとき必要になるのは、出願書類、TOEFLのスコア(通常550点以上)、高校の成績、自分で書いたエッセイ、推薦状、留学資金照明のための銀行の残高証明などです。

この出願に関しては、今後の留学の出発点になるので、十分考え、様々な経験者や両親、先生、カウンセラーと相談をすべきです。私の場合、出願したすべてから合格通知を受け取ることができました。

<大学での学力試験>
アメリカの大学に入学しても、誰もが正規の生徒として認められる訳ではありません。アメリカ人も含め大学では入学後に基礎学力試験を受ける必要があります。東海岸の州立大学は英語と数学を受けることが多いようです。ここで規定のスコアを取れなかった生徒は、付属の語学学校や数学の予備学校に通うことになります。おおくの日本人留学生はここではじかれ正規の生徒ではなく大学付属の語学学校に入学することになる現実があります。大学にとって語学学校は重要な収入源。だから大量の留学生を受け入れるのです。

私の場合、ニューヨークに来てやっとおちついた6日目にこのテストを受けました。数学はおそらく満点だったと思います。分数の計算など日本では小学校レベルのテストでした。英語は結構難しく感じましたが、この程度の語学力がないと授業にはついて行けないだろうと思います。

実は、私はここで大きなミスを犯していました。というか自分の能力を過信しすぎていたようです。翌日のテスト結果は数学はパスしたものの、英語は語学学校行きとなってしまったのです。これをしないために"日本で十分勉強をしてきたはずだったのになんていうことだ!"自分の実力のなさにがっかりした、と同時に将来のビジョンが崩れていきました。

早速、学校付属の語学学校へ行き、オリエンテーションを受けました。そこには、いままでキャンパスでは見かけなかった留学生が沢山いました。日本人も結構いるようでした。"あぁ、このままだといったいいつ卒業できるのかわからない。"とかなり落ち込んでいると、私の後ろの席に日本人らしい青年がひとりで座っていました。「あのー、日本人ですか?」相手は「?」。彼は香港からやってきたフィリップという男で、私たちはそれから一緒に2年間授業を受けることになりました。フィリップは私よりは英語ができるようで、オリエンテーションの説明で私が理解出来ない部分は丁寧に説明してくれました。そして授業をとるためのレジストレーションを手伝ってくれたのでした。

実は、よく説明を聞いてみると、私は英語のテストはぎりぎりのところでパスしなかったようでした。私が入るのは6レベルある語学学校のクラスの中で一番上でした。フィリップも同じクラスでした。このクラスは、語学学校に通うのは週2時間で、残りは正規の学生と同じ授業を受講する権利が与えられていたのです。これは嬉しかったです。そして、次回の学力テスト(3ヶ月後)で、パスすれば正規の生徒になれることがわかりました。もし、次回の試験で成績が悪いと週2時間の語学学校の授業は受けなければならない。週2時間の時間的ロスと語学学校の授業料の金銭的ロスは痛いですが、フルタイムで語学学校に入ってしまったらロスはもっと大きかったです。とにかく1セメスターはがんばって、次のセメスター前にある語学テストをパスすればなんとかロスは挽回できるだろうと思いました。

フィリップは、将来カメラマンになりたいそうで、この学校で2年勉強した後はマンハッタンの芸術大学に編入するという野望を持っていました。話も楽しいし気も合いそうなので、オリエンテーションが終わっても大学のカフェで暫く話をしました。

1988/01/12
2006/03/07 Rev.


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