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14. 1st セメスター 大学初日 [ニューヨーク州立大学]

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大学初日は、朝から緊張していました。はたして日本で時間をかけ勉強してきた語学が本当に役に立つのだろうか。日本を離れてから一番英語がわからなかったのがJFK空港のイミグレーションでした。その他はなんとなく意味が分かるしこちらの話も皆耳を傾け理解してくれました。このレベルでアメリカの大学の授業について行けるのでしょうか。

朝、早めにキャンパスに着いた私はカフェに行ってみました。オリエンテーションやレジストレーションで何回かきていましたが、朝はブレックファースト・メニューを提供していることに気づきました。何も食べずに登校したので早速食事をしてみることに。そこには固そうな丸いパンが並んでいました。私はこれをパスしました。このパンはベーグルというユダヤ人の食べ物で、大変美味しいのですが、当時の私は全く興味を示しませんでした。私が心奪われたのはイカリングらしきフライとご飯の上にカレーがかかっている食べ物でした。イカリングだと思ったものはオニオンリングです。初めてこれを注文し、口にしたときは、かなり落胆しました。烏賊だと思ったのが細いタマネギです。カレーライスだと思ったものはタイ米のようなパサパサした米にチリソースがかかっているものでした。その時はこれは美味しいと感じました。今になってみるとベーグルやオニオンリングはアメリカで出会った美味しい食事となっています。逆にチリソースライスは今食べるとかなりまずいです。このあたりの勘違いの味覚は当時の私が未熟だったのか緊張していたからなのか未だにわかりません。でも今となっては良い思い出です。

この日の授業は3つ。月曜・水曜・金曜のクラスで1時間のクラスです。

腹ごしらえをして、いよいよ初めての講義であるBiologyのクラスに行ってみました。このクラスは留学生用のクラスだったため、学生はアメリカ人以外でした。日本人は私一人でしたが、同じ外国籍の生徒だったのでちょっと安心しました。先生は長いひげをはやした年配の男性。「タイムボカン」の誘拐された博士に似ていました。先生は淡々とクラスの目的とスケジュールを説明し始めました。生徒がアメリカ人ではないので比較的ゆっくりと話をしてくれ、これには救われました。なんとかついて行けそうだ。しかし、授業1回でテキスト20ページ進むというのです。これは予習が大変だなあと思いましたが、頑張れそうでした。

次の授業は英語のクラス。語学学校に行ってみました。語学学校といっても校舎が独立している訳ではないので、普通の大学の講義に見えますが、教室に入ると外国人ばかりという状態でした。先生は年をとっているようですがとても美しい女性で、どちらかというと幼稚園の先生のように丁寧に英語を話してくれました。あまりに丁寧に説明するのでちょっと馬鹿にされているような気持ちになりましたが、このクラスは十分やっていけると思いました。ただ、授業中何回もさされ、その度に発言するのが辛かったです。日本人はこのようにディスカッション形式の進行は苦手です。間違うと恥ずかしいと思ってしまうのです。ただ、中東から来ている生徒はとても上手とはいえない英語でどんどん発言していました。中東の生徒を見て、私は驚きました。

おかしかったのは、州立大ならではなのですが、入学試験である成績を取得できなかったアメリカ人の学生が私のクラスに数人混じっていたことです。アメリカ人でも国語の学力がないとこのクラスに入れられてしまうのです。なんとも合理的なシステムです。しかし、語学学校に入るようなアメリカ人は、もともと勉強が得意な訳ではないようで、高校を卒業し目的もなくとりあえず州立大に来ているような状態だから、彼らアメリカ人は数週間のうちに大学を自主退学していきました。

数学は予想通り楽勝でした。まわりは全員アメリカ人だったし、先生の言っていることの50%も理解できなかったのですが、何をやっているかは把握できました。はじめは分数のかけ算。こんなの簡単すぎてすぐにできます。しかも間違うことはないのです。アメリカ人はかけ算が得意ではないようで、とても苦労していました。この授業はこの後、物凄いスピードで進み、因数分解やルートの計算までカバーされることになるのです。アメリカ人の学生の1/4くらいは途中でドロップ(自主的に授業を受けることを放棄する)してしまいました。確かにもし自分が何の知識もなくこの授業を受けていたら着いて行けなかっただろうなあと思う程早いペースで進んでいきました。

初日の授業はこれで終了。緊張していましたが、ドロップアウトするような心配がないので安心しました。帰りはバスで帰ってきました。15時には家についていたと思います。でもとても疲れていて暫く寝てしまいました。シシリーが帰ってきたドアの開く音で目覚めたのは19時頃でした。

彼らが夕食の準備を始める前に食事をするという約束をしたのを忘れていました。慌ててキッチンに行き、とりあえず冷凍の鰻をボイルして食べました。ご飯は、こちらで買った炊飯器で炊きました。私のホストファミリーはうな丼に興味を持っていました。当時は日本食ブームなどアメリカには到来していなかったのです。私は辞書で「鰻」を調べました。ellというらしい。「イール!」と指差すと、幼稚園児のリチャードは泣いてしまいました。彼らにとって鰻はへびみたいなものなのでしょう。


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