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16. 自動車購入 [アメリカ生活情報]

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毎日バスで大学に通い、バスで帰宅する。買い物もバス。でもバスは1時間に1本程度しかなく、かなり不便でした。父親からはアメリカで免許を取得し車を買うように言われていましたが、こちらに来てみると一刻も早く車が必要だと痛感させらました。アメリカではサンフランシスコやニューヨーク、ボストンなどの町中にある大学を除いては、ほとんどのところで交通が不便です。よって、ほとんどの大人が車を所有し車で行動しています。私の行く大学にも巨大な駐車場があり学生のほとんどは車で通学していました。

時間を見つけて車の免許を取得した後は、いよいよ車を購入することになります。車の購入にはいくつかの選択肢がありました。

1)新車購入
新車を購入する最大にメリットは新車なので故障する可能性が非常に低いということだ。アメリカでは冬、田舎で車が壊れたら死を意味する。よって、故障の可能性が高い中古車と比べるととても安心だ。しかし、価格が高い。どんなに安くてもアメリカ車で10,000ドル、日本車で20,000ドルはした。

2)中古車購入
アメリカでの中古車市場はとても大きい。当然さまざまな車が選べるし、価格も納得できる。しかし故障が多くなる。中古といってもアメリカの中古車は50,000 Mile 走っている車なんて沢山ある。あまり走っていない中古車は市場に出回っていない。このあたりのリスクをどう考えるべきか難しい。

3)日本車
当時、日本車は東海岸でも受け入れられて人気があった。やはり壊れないというのが一番の人気だ。よって、セカンドカーとして日本車を買い求める人がおおく、Civicやカローラが物凄く売れていた。ちょうど私がアメリカで車を購入した頃は、日本車勢は高級車の販売も手がけるようになり、TOYOTAは「レクサス」というブランドを立ち上げた。HONDAは「アキュラ」を立ち上げスポーツ指向の高級車を投入し、NISSANは「インフィニティ」というブランドで日本的な高級感を売りにしていた。これら日本勢は後に大成功し、200年現在ではメルセデスやBMWを追い越している。日本車に一貫してあるイメージは壊れない。使いやすい。ということ。でもアメリカ車と比較すると高いのである。

4)アメリカ車
当時のアメリカは、日本車勢にシェアを奪われ、ちょっと感情的になっていた。テレビではクライスラーのアイアコッカ会長が自ら買収したランボルギーニ(イタリア)のカウンタックに乗ってきて「我々が一番」と言い、コピーではアメリカ車を買いましょうと宣伝していた。しかし、実際にアメリカ車に乗ってみると全てがダメだった。エンジンは旧態然とした構造でうるさくて燃費が悪い。デザインは雑で室内はプラスティック。買って数ヶ月するとパーツがとれてしまうような有様だった。これでは売れない。あえてアメリカ車を選ぶのは、愛国心が高いか、車に関する知識がまったくないかであった。

5)ケーススタディ
日本人の先輩松崎氏は、はじめFordトーラスの新車に乗っていた。しかし、信号で停車したら目の前をタイヤが転がっていた。なんだろうと思った瞬間、乗っていたトーラスが傾いたのだ。そう、転がっていたタイヤは自分の車のものだったのだ。アメリカ車を新車で購入してもタイヤが外れる(実は軸が折れていた)のに驚いた松崎氏は、自分が日本でためた貯金でHonda シビックの新車を購入し、日本に帰国するまで乗っていた。故障は一度もなかった。

同じく山崎氏は、なんとヒュンダイ自動車に乗っていた。新車である。当時はアメリカ市場に新規参入した韓国の自動車メーカーだった。しかしこの車、意外とよくできていて大きなトラブルはなかった。そうはいっても内装はひどいもので、彼が帰国するまでには内部のパーツはかなりの部分はがれ落ちていた。車としての性能は問題なかった訳だが、あの内装を見るとちょっと気が引けた。現代自動車は、三菱の技術供与を受け、後にどんどんクオリティを改善していった。今ではそれなりの評価を得ている。しかし2005年時点でも平気でメルセデスやBMWのデザインをコピーしている。このあたりの独自性のなさには呆れるが、相変わらず故障は少ないらしい。

目白氏は、アメリカ車、それもサルーンに乗っていた。アメリカに来たのだからアメリカ車に乗ると言っていたのが印象的だった。彼の車は細かなトラブルを起こしていたが、こまめに工場に持って行きコツコツ直していたので、大きなトラブルには巻き込まれなかったようだ。ただ、目白氏は修理に相当費用を払っていたし、修理に入ると松崎氏に送り迎えを頼んでいた。

上記のような要因を鑑み、自分なりに結論を出しました。

それは、日本車ディーラーで新古車を購入するというものです。試乗車として使われたあまり走っていない中古車を買うのです。これにより故障しない日本車を新車よりも安く買えると気づきました。当然中古車よりは高いですが、後での故障や修理代のことを考えると、ちょっと高くても結果はむしろ安いと思いました。

私は、日本車ディーラーを見て回りました。その中でいい物件がいくつかありました。結局私はHondaのプレリュードを19,000ドルくらいの価格で購入しました。本命だったシビックは新古車の在庫がありませんでした。このプレリュード、購入時は13,000 Mile走っていたのですが調子は良かったです。プレリュードは私がアメリカに滞在した5年間、行動を共にして帰国時まで全く故障せず100,000 Mile走りました。私の購入時の予想は見事に的中し、修理代もかからず最終的には初期投資は回収できると言っていい程使い倒しました。さらにこの車、5,000ドルで売れたのです。

アメリカ留学をして車を購入する場合、価格の問題からかなり古い中古のアメリカ車に手を出してしまう人がおおいですが、何年滞在するのか、どのくらい車を使うのかなど十分に検討して購入することをお勧めします。

アメリカに着いてから3ヶ月後の4月21日から私の生活は一変します。車があることでここまで生活が変わるとは思いませんでした。この日以降、アメリカを去る日まで、赤いプレリュードは私の留学時代のバディとなるのです。


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