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19. ケーブルテレビの魅力 [アメリカ生活情報]

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ニューヨークでの学生生活もはじまり、生活のペースも安定してきた頃、私はケーブルテレビを引くことにした。日本にいた頃からアメリカにはCATVというものがあってチャンネル数は50以上あると聞いていたのでとても楽しみにしていました。

私はまずテレビを買いました。当時25インチくらいのテレビをWIZという家電量販店で購入しました。当然ブラウン管のテレビです。価格は日本と比べるとはるかに安かった。確か300ドルくらいだったと思います。同時にVHSビデオデッキも購入、これは200ドルくらいでした。

ホストファミリーに承諾してもらいケーブル会社に電話すると、翌週には工事にきてくれることになりました。それまでは、簡易アンテナで地上派放送を見たが見ることのできるチャンネルは数局であまり面白い番組は放送していなませんでした。しかし、朝の日本語ニュースはかなりノイズが入りますが、なんとか見ることがでました。

工事当日、家で待っていると、工事をする人がやってきました。まるで電気工事屋のような風貌の人です。彼は、どこからかケーブルを引っ張ってきて、私の住む2階の部屋に引き込もうとします。しかしケーブルが入るような穴はない。どうするのか見ていると、電動のスクリューで壁に穴を開け始めたのでした。これには驚いてしまいました。日本だと外観を気にしたり、空調の問題などで穴をあけるようなことはしないだろうし、開けるときは一言相談くらいするものです。おじさんは、なんのためらいもなくウィーンと穴をあけてしまったのです。そしてケーブルをするっと通して、セットトップボックス(STB)に接続、そしてテレビのスイッチをつけてチャンネルをチェックし始めました。確かにたくさんのチャンネルがモニターに映しだされました。

おじさんは、作業確認証にサインを求め、あっというまに帰って行来ました。

テレビは50どころか80チャンネル程あり、チャンネルをまわしても延々と違う番組が映りました。私はベーシックという50チャンネル程の基本パックと映画を中心とした専門局をオーダーしました。価格は1月35ドルくらいでした。テレビが映るのは嬉しかったのですが、壁の穴はとても不安でした。家族が帰ってきたら一応謝ろうと思い、家族の帰宅までびくびくしながらテレビを見ていたのを覚えています。

一番始めに帰ってきたのは、シシリーでした。彼女は、CATVがちゃんと映るようになったのか気にしてくれていました。テレビは映るが壁に穴があいたと説明すると、日本語チャンネルも映るといいね、みたいなことを言って去って行きました。どうやら壁に穴があいたり家の外側の壁にケーブルが張っていたりするのは全く気にならないようです。アメリカ人は大雑把だなあと強く思った瞬間でした。

このように、アメリカ人は概して大雑把です。日本人のように神経質な人は少なく、全体的に町もシステムもサービスも大雑把な感じがしました。これは、日本人からすると驚きがあり、時にはイラッと思うこともあるのですが、住んでいるとこの大雑把さが実に心地よくなっていきます。トイレなども日本ほど清潔ではありませんが、不潔なわけではありません。程よい感じがむしろ落ち着くのです。

話を戻しましょう。
CATVが接続されてから、毎日の生活が変わりました。朝起きると日本語テレビ(とても鮮明¥な画質でした)を見て、帰ってきたらMTVを見続けました。これで流行の音楽にはとても敏感になりました。当時はポーラ・アブドゥル、ジェネシス、スティングなどが人気でした。しばらくするとMTVよりVH-1というチャンネルのほうが面白いことに気づき、時間帯によってMTVとVH-1を見出しました。VH-1は、ターゲットがMTVより上で30代が喜ぶようなコンテンポラリーヒッツを放送していました。さらにCNNでニュースをチェックし、USAでクラシック映画を見て、HBOでヒット映画を見るようになりました。これは英語のヒアリングにとても役立ちました。

民放もがんばっていて、毎週土曜日にはサタデー・ナイト・ライブが楽しみだったし、夜の7時からはじまるジョパディーやエンターテイメント・トゥナイトは英語だけでなくアメリカの歴史や雑学の勉強になりました。

こうして、テレビで最新の文化と英語を学ぶすべを覚え、アメリカでの生活が楽しくなっていったのです。


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SKY1

こんにちは。
 私の友人がアメリカに一人旅に行った時は、体調を崩して1週間モーテルにこもって、TVでトムアンドジェリーばかり見ていたそうです。
by SKY1 (2006-04-02 20:57) 

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