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37. ボストン 就職セミナー 1/2 [就職活動]

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今回から2回は、時間を飛び越して就職活動のお話です。

なんとか正規留学を終了できそうな気配を感じていた時の今後の人生について考える転機となった出来事です・・・

 

学校から帰ると、自宅に大きな封筒が届いていました。そこには日本語で就職セミナーという文字がありました。

開けてみると、そこにはボストンで春に開かれる日本企業の就職相談会の招待状が入っていました。交通費を持つのでボストンまで来て欲しいという依頼です。丁度休みに重なっているので、行ってみようと思いました。

 

ボストンへは用意された航空券でラ・ガーディア空港からボストン空港へ向かうシャトル便に乗るところから始まりました。空港はラ・ガーディアのターミナルではなく、少し離れたシャトル・ターミナルでした。小さなプライベートジェット機に乗ってボストンに向かいます。空港からは地下鉄を乗り継いで、町の中心地に向かいました。たった2泊3日の旅なので荷物は大きくなく電車での移動も楽でした。宿泊は会場の近くのシェラトンホテルにしました。

 

当時、アメリカ全土の大学には数万人の日本人留学生がいました。その中で一部の日本人には招待状が届いたようです。優秀な生徒には交通費だけでなくホテル代なども支給されていたようです。多くの学生は、自力でボストンに来て参加していました。

 

私は、ひとりでの参加です。実は、自分の人生において初の一人旅でもありました。到着して部屋にチェック・インをすると町を散策しました。ボストンには車で何回か来ているので、だいたい位置関係を再確認し、明日行われる就職セミナーの場所を把握し、近くのカフェで食べ物を買い、自分の部屋で資料を読みながら軽い食事を済ませました。

 

翌朝、着慣れないスーツを着て、当時就職活動には必ず学生が持ち歩いていたプラスティック製の資料入れにレジメを複数枚入れ、会場に向かいました。

驚いたのは、かなりの人数の日本人学生がボストンに集まっていたことでした。こんなに沢山の日本人留学生が就職活動のためにボストンに集まっているとは思ってもみませんでした。皆が大学3年か4年生です。そして、セミナーというのは名ばかりで企業の面接会場でした。入口でレジストレーションを行い、大きなコンベンションセンターに入ると、100社近い日本企業がブースを構えていて、好きな企業の人事面接官と面接をするのです。これは事実上1次面接にあたります。面接スタイルは企業によって違っていて、複数の学生に対し面接官がひとりだったり、1対1の面接だったりしました。

 

私は、映画を作りたいという強い目的を持ってアメリカに来ました。このときもその思いは変わりありませんでした。そしてニューヨーク大学のビジネススクールで辛い勉強をしてきて、自分の力をだんだんと感じつつある頃でした。

しかし、集まっている企業は、重工業や製薬メーカー、旅行関係などで私の志望業種はありませんでした。

 

私が考えたのは、とりあえず面接を沢山受け、日本の企業がどんな人間を欲しがっているのかをリサーチすること、そして面接に慣れることを主目的にしようというものでした。

ボストンまで来て人材を確保しようという各社は、それなりに気合いが入っているはずです。そこでいろいろと聞いてみようと気軽に考えて参加することにしました。

 

数社ブースを周り面接を受けて感じたのは、自分の望んでいることが面接官に直ぐわかってしまうことでした。興味のない業種に関しては、何故この会社に入りたいのかという熱意が伝わりません。興味がないのだからあたりまえです。殆どの企業はここで終了です。

いくつかの会社は、興味がないにも関わらず私に対し積極的なアプローチをしてきました。当時アメリカではTOP10に入る大学に在籍していたこと、日本語と英語が堪能なこと、人柄が悪くはなかったことなどがその原因だと思います。

結局夕方の5時頃まで10社程度の面接を終え、翌日来て欲しいと言われた企業は4社でした。どこも旧財閥系の企業でした。

 

ブースを回っているとき、混んでいる企業の場合は列が出来ます。そこで前後にいる人と話をすることになります。私は日本語を話せるのが楽しくいろいろな人に話しかけてみました。普段英語で生活しているので日本語会話がとても嬉しかったです。わざと長い列に並んで話していました。その中のひとりが、とても気が合う人でした。アメリカ人の彼がシラキュースから車で送ってくれて、今日一日中ホテルで待ってくれているという女性で、彼女はSUNYに通っていました。私もかつてSUNYにいたので、話があったのです。

彼女によると、交通費が支給されたのは上位数校の大学の生徒だけだということを知りました。そして、彼女が話した学生のほとんどは明日の面接に呼ばれず、今日の夜ボストンを離れると言うことを聞きました。私のように何社からも声がかかった学生に初めて会ったと言われ驚きました。

 

彼女とは、会場近くで簡単な夕食をとりました。そしてアメリカ人の彼がボロボロの車で迎えに来たので、そこで分かれました。彼女とはその後も就職活動に関し連絡を取り合いました。

 

翌日の面接は次回お伝えします。

 

(2017.1.10 Rev.)

 


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ゆずきょん

留学を考えている者です。
このような詳しい体験談を読めてとても幸せです。ぜひ続きを書いてください、お願いします!!
by ゆずきょん (2012-08-02 23:12) 

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