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39. ニューヨーク州 アップステート ロックランド郡 [ニューヨーク州立大学]

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今回は私がアメリカに到着し、初めて暮らした町と大学について記そうと思います。
ニューヨーク州
nystate.jpgニューヨークというとほとんどの人が高層ビルの立ち並ぶ摩天楼と自由の女神をイメージすると思います。しかし皆さんが思うニューヨークは、ニューヨーク州の一番南に位置するニューヨーク市のマンハッタンという小さな島なのです。ニューヨーク州はマンハッタン島から北、カナダ国境まで広がる広大な州です。車で移動すると、マンハッタンからカナダ国境までは6時間以上かかります。マンハッタンから北西、ナイアガラの滝までは9時間もかかるのです。その広大な土地のほとんどは山や森です。高層ビルや大都市はありません。
この広い広いニューヨーク州の州都はオールバニという町です。ちょうどニューヨーク州の真ん中にあります。オールバニは典型的なアメリカの田舎町です。州内には、この規模の大きめの町がいくつかありますが、それ以外はとにかく森林地帯です。私はこの事実にとても驚きました。摩天楼は一部であっても東京のように郊外には延々と住宅地が広がっていて、ところどころに中規模な衛星都市が点在するのだと思っていたからです。実は東京や大阪のような大きな都市はアメリカにはありません。大都市といわれるニューヨークやシカゴ、ボストンは、町を出ると急に森になってしまうのです。そんな予想とは大きく異なる山の中に連れてこられたのでした。ニューヨーク州は郡という地区に分かれています。ロックランド郡はニューヨークの州内で一番小さな郡です。

ロックランド郡
rockland2.jpg私がホームステイをすることになったのは、ニューヨーク州の森の中にあるロックランド郡という地区です。といってもマンハッタンからは車で1時間くらい北に行ったところですので、田舎の生活をしながら大都市にもアクセスできる立地です。郡の南はニュージャージー州です。ハドソン川を挟み、日本人が多く住むウェストチェスター郡と隣りあっています。
ロックランド郡の面積の北西地域は州立公園です。それほど高くない山々が連なっていて、湖や綺麗な清流が流れています。この一帯をベアーマウンテンと呼び住人にとっての憩いの場所となっています。夏は湖に作られたビーチで遊んだり、釣りをしたり、山歩きをします。冬はなだらかな斜面ですがスキーもできます。郡の東側はハドソン川です。この町は全体的に西が高く東が低いので、西の様々なところからハドソン川が見えます。特に夕方は水面に映る夕日がとてもきれいです。
ロックランド郡は、古くから人が住んでいたようですが、急速に発展したのはハドソン川にかかるタッパン・ジー・ブリッジが開通してからです。この橋を使うとマンハッタンまで車ですぐにアスセスできますし、富裕層の住むウェストチェスター郡に買い物に行ったり食事に行ったりできます。
私が住んだ家は、ロックランド郡の真ん中にあるスプリング・バレーという小さな町にありました。森の中に家が点在しているような典型的なアメリカ東海岸の田舎町です。家と家の間隔は適度にあいていて、大きな集合住宅はなく、コンドミニアムやタウンハウスといわれる高くても3階建の小規模な住宅がいくつかあるくらいです。日々の生活はこのスプリング・バレーで行います。スプリング・バレーにはルート59いう道が通っていました。片道1車線の道路なのですが、この道はロックランド郡を東西に貫くように走っている主要道でした。

メインストリート59号線   
rockland-county-new-york-map.jpgサファーンからスプリング・バレーを通りナイアックまで東西に走る59号線は、東西を車で1時間程で結ぶ郡のメインストリートです。西のサファーンはとても歴史のある街で古き良きアメリカの面影を残しています。ここには古くからある映画館が有名です。今でもきちんとメインテナンスが行われていて地元の住人に愛されています。サファーンからスプリング・バレーまで東に進むと、59号沿いには、小規模なショッピングセンターが2~3km毎に点在しています。ショッピングセンターは大きな駐車場を囲んでいくつかの専門店と食料品店が並んでいるタイプで、どこのショッピングセンターに行っても店名は異なれど店のラインナップはほとんど変わらないのです。私の家の近くにあったショッピングセンターは、大きな食料品店のPathmark、日曜大工用品店のRickel、バーガーキング、中華料理のテイクアウト、写真屋さん、リカーショップが並んでいました。さらに車で5分くらい走るとそこには食料品店のShoprite、日曜雑貨店のWALMART、銀行のCITIBANK、ピザのデリバリー店、カフェがありました。生活する上で、住人は自分の家に一番近いショッピングセンターに車で行き買い物をします。基本それだけで一通り買い物ができてしまうのです。食事は、このようなショッピングセンターにあるレストランを利用します。ほとんどがピザ屋、中華料理屋、イタリアン、インド料理などで、店の内装は簡素で価格は安いです。味は結構おいしく、どこも満足できました。

ナニュエット・モール
59号線をさらに東に進むと、当時ロックランド郡最大のモールがありました。ナニュエット・モールという大きなショッピングセンターは、巨大な駐車場の真ん中に建っていました。モールは2階建てで長い通路の両脇に100を超える小売店が並んでいます。通路の両端にはデパートがあります。ひとつはSEARS、もうひとつはMacy’sです。町にあるショッピングセンターのような食料品店はありません。ほとんどが衣料品店です。ナニュエット・モールはロックランド郡の交通の要にもなっています。郡内を走るバスやマンハッタンに向かうバス、空港に向かうバスなどがここに集まっています。郡内からここに来ればどこにでも行けるようになっていますし、バスを待つ間にモール内で買い物をしたり食事をしたりできます。買い物もできてバスの乗り換えポイントになっているので、いつも人で賑わっています。モールの周りには映画館やレストラン、食料品店、車の修理工場などが集まっていて、モール周辺は大きな商業地帯になっています。駐車場は大きいのですがキャパ不足になるのは時間の問題と思うほど、多くの近隣住民が集まってくるのでした。
車を持っていなかった頃の私は、時間がある時に行く場所と言ったらこのナニュエット・モールでした。大学からバスでここにきて買い物をしたりフードコートで食事をしたりしました。服もここで買いました。マンハッタンにン行く時は、ここで長距離バスに乗り換えました。

ナイアック
59号線をさらに東に進むと坂を下りハドソン川が見えてきます。ハドソン川沿いの町がナイアックです。ここはかつてニューヨーク市に住む住人の避暑地として栄えたそうです。現在も当時の面影を残していて、ナイアックのメインストリートは、古き良きアメリカのデザインでアンティークショップなどが並んでいます。

私が生活をはじめた町は、こんな場所です。アメリカの大都市圏にある典型的な郊外、ベッドタウンです。住人の多くはマンハッタンや周辺の企業に勤めている家庭です。子育て世代が多く、大きな家でのんびりと過ごしているようです。一人住まいは少ないので、家や賃貸アパートは1人用が少ないです。学生はほとんどがホームステイか大きな部屋をシェアしていました。
徒歩での生活はかなり厳しいので、車を保有するしかないのですが、金銭的に厳しい人はバスが命綱です。このあたりは冬になるとマイナス20度になることもあるので、徒歩で長距離を歩くと生命の危機となります。バス通学の頃は、バスを待つのが辛かったです。車を所有してからは、辛いこともなくなり、郡内は車であれば30分程度でどこにでもいけるので便利でした。




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Emiko

はじめまして。NYへ留学を考えている社会人10年目の者です。
情景も思い描くことができ、とても記事が参考になります。ありがとうございます。
突然で大変恐縮ですが、筆者の方にコンタクトを取ることは可能でしょうか?
by Emiko (2017-07-27 23:58) 

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