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4. ニューヨークへ! [大学入学とアメリカ生活]

1月、私はニューヨークに向かうため成田空港に向かいました。このときは、今後の留学生活がいったいどうなるのか全く見当がつかなかったのを記憶しています。ものすごい不安と期待が入り交じり複雑な気持ちだったのを覚えています。

当時、成田空港は第一ターミナルしかありませんでした。南ウィングには出発2時間前から私を見送る人々がかなりの数集まっていました。両親、兄弟、友人達。一緒に留学を目指し頑張った予備校の仲間達。そこには別れ、希望、寂しさ、興奮、不安など様々な思いがありました。

私が登場するのはユナイテッド航空800便。午後4時成田空港発ニューヨークJFK空港行きには、予備校から私以外に2人乗ることになっていたので、2人を見送る人々を含めると数十人の見送りご一行様となりました。空港に来てくれた人たちにもそれぞれざまざまな思いがあったはずです。今の時代のようにスカイプやネットがない時代です。もしかしたらこれが最後になるかもしれないと思うほど引き裂かれる気持ちは強かったのです。

行く前に私に渡されたトラベラーズチェックは、確か100万円だったと思います。父親が三菱銀行で現金をチェックに替えるのに同行させられ、札束を見て、ちゃんと卒業しないと申し訳ないなあと思ったことを今でも鮮明に覚えています。

スーツケースは卒業まで持つように、と10万円のハードケースを母親が買ってくれました。ルイージ・コラーニがデザインしたダークブルーのスーツケースは、結局卒業後も壊れずに無事に日本に戻ってきました。このスーツケースが私の留学の相棒となるとは、このときは想像もしていませんでした。

このトラベラーズチェックと1つのスーツケースでユナイテッドのエコノミーにな乗り込むときは、さすがに寂しくなってきました。北ウィングの出国ゲートをくぐり、初めて作った大きな赤いパスポートに1個目の「出国」という印を押され、後ろを振り返ると、皆が手を振っていました。感傷的になりながら、笑顔で飛行機に乗りこむのが両親を心配させてはいけないと思う青年の精一杯の思いだったのでしょう。

今後、行ったことのないアメリカに渡り、大学に入学し、卒業するといういくつものハードルを全てクリアーして日本に戻ってくることがいかに難しいのか頭ではわかっていたつもりですが、飛行機に乗り込んだときはそれ以上の期待で現実を忘れていたような気がします。「とにかく行ってみないとどうしようもないさ」「なんとかなるさ」という考えが頭の中を巡っていました。

当然、飛行機の中では寝付くことができず、今後の開けているアメリカ生活を思いめぐらしていました。

ボーイング747は、大きな期待を揺らしながら太平洋を東に向かって進みます・・・


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